[三宅しんご 今、考える]
レストランやバーでの、ピアノなど生演奏の「おもてなしサービス」が24時間、提供できるようになりそうです。
現在、飲食店で、深夜に音楽の生演奏を提供することは禁じられています。ダンスに関する規制緩和を検討していました警察庁がこのほどまとめた風俗営業法の改正案をみると、あわせて深夜の生演奏に関する規制緩和策が盛り込まれています。
対象となるレストランなどの詳細は改正法成立後に各地の条例で決めることになりますが、①繁華街にあるレストランやバー②ホテル内のレストランやバーなどが対象になりそうです。極端に照度が低いお店は対象にはなりません。解禁は1年後の見込みです。
法案成立までにはハードルがあります。自民党総務会での党としての最終決定、野党との調整、閣議決定による法案の国会提出、国会での可決、細部を固める条例の制定等を経て、施行となります。まだまだ予断を許しません。しっかりと取り組んでまいります。小さなことですが、戦後直後のような規制は、早く撤廃・緩和するべきです。
詳細な背景は下記の「2014年通常国会 三宅伸吾・国政報告」の抜粋をお読みください。
(二)おもてなし文化の拡充--時代錯誤の規制
昨年秋、2020年のオリンピック・パラリンピックを東京で開催することが決まり、国をあげて大喜びしました。日本の存在感がこのところ薄れていましたが、世界が今一度、日本に期待し、注目してくれます。昨年、日本を訪れた外国人が初めて1000万人を上回り、政府の次の目標は2020年2000万人です。そんな上げ潮ムードの今年初め、都内のホテル関係者からこんな声を耳にしました。
「国策として外国人観光客をどんどん増やそうといっているのに、ホテル内のバーでも、夜12時を過ぎるとピアノ演奏ができないというのは何とも不思議ですね」。
確かに、帝国ホテルなどのバーでも深夜になるとピアノの音色が消えます。どうしてでしょうか。
風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)は、飲食店に対し「深夜において客に遊興させないこと」と規定しますix。そして通達が「生バンドの演奏等を客に聴かせる行為」を客への遊興の提供だとしておりx、結果、12時以降のピア4ノ生演奏が禁止されているからです。ピアノのソロ演奏は「バンドではない」という主張もできそうですが、警察庁によると「生バンドの演奏等」の「等」に含まれるのだそうです。
この規制は正常な風俗環境を担保し、不純異性交遊や騒がしい行為などを未然に防ぐことが目的だとか。一瞬、「なるほどな」と思いますが、もう少し考えてみましょう。
高級ホテルのバーでのピアノの深夜生演奏に、風俗環境などを悪化させる可能性が本当にあるでしょうか。世界の要人が泊まるホテルで、その宿泊者が眉をひそめたり、不快に思う騒音を出したりするような、ピアノ演奏を深夜にさせるホテル経営者はまずいないでしょう。(以下略)