『国政通信 2023年春』です。是非、お読みください。
コロナ禍に加え、今なお続く、ロシアによるウクライナ侵略は平和を破壊し、世界経済を大きく揺さぶっています。こうした状況を一体、誰が予想したでしょうか?
でも、宇多田ヒカルは歌います。
♪♪ 一寸先が闇なら、二寸先は明るい未来 ♪♪
(Utada Hikaru作詞『人生最高の日』より)
私たち一人ひとりがそれぞれの持ち場で目線をあげ、努力することが明るい未来につながります。
今年で国会議員になって10年。
経済を強くし、ぬくもりのある社会に向け、さらに精進を重ねます。
今年もご指導、ご鞭撻ください。(写真は毎年恒例の1枚@観音寺市)
三宅伸吾
自民党の税制調査会(税調)で来年度の税制改正についての議論が佳境を迎えています。
税調では法律改正を伴う議論が行われますが、民間からの要望の中には税法を変えなくても、解釈の明確化など運用改善で実務上有益な結果を得られることがあります。
今回は先日の事例を紹介します。
企業が福利厚生の一環として社員に食事を提供する場合、
①「食事の価額の半分以上を従業員が負担」
②「企業側の負担が従業員一人当たり月額3,500円以下」
を条件に、その食事が給与課税されない取扱いがあります。
ただし、自社で社員食堂を運営するような「使用者が調理して支給する食事」(※)の場合、「食事の価額」は「≒材料費」として解釈されますが、運営を外部委託して食材の在庫管理などを自社で行わない場合に、「使用者が購入して支給する食事」(※)とみなして、「食事の価額」を「材料費以外の外部委託費も含まれる」と解釈されると、給与課税非課税の要件を満たすことが難しくなります。そこで、取扱いを見直してほしいとの要望がある業界団体から党に寄せられました。
※ 所得税基本通達(抄)
(食事の評価)
36-38 使用者が役員又は使用人に対し支給する食事については、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる金額により評価する。
⑴ 使用者が調理して支給する食事 その食事の材料等に要する直接費の額に相当する金額
⑵ 使用者が購入して支給する食事 その食事の購入価額に相当する金額
そこで、早速、政府に解釈について確認しました。「外部委託による運営であっても、材料費とそれ以外の経費を適正かつ明確に区分されているなど一定の場合には「使用者が調理して支給する食事」と解して差し支えない」との回答が得られました。
これにより、社員食堂の材料費の区分経理をし、冒頭の条件を満たせば給与課税されないということが明確になりました。結果、要望実現には法改正は必要ありません。社員食堂をお持ちの企業の方には是非参考にしていただければ幸いです。
来年度税制改正に向けた、自民党の組織運動本部や政務調査会、税調での大きなテーマは研究開発や起業を促す税制のほか、自動車への車体課税、個人投資家を増やす金融所得課税の見直しなど。近く、与党税制大綱で正式決定されます。
個人的には2021年春から最も時間とエネルギーを注いだ船舶の法人税制の改革が実現します(特別償却制度の大幅拡充)。香川を中心に瀬戸内海には造船所が多くあります。地方の雇用を維持し、経済安全保障にも資する税制改正の一助になれ、とても喜んでおります。
11月21日、先日閣議決定された令和4年度2次補正予算案における蓄電池(バッテリー)関連の事業についての報告会を、「未来社会を創設する、バッテリー等の基盤産業振興議員連盟(略称:バッテリー議連)」で開催いたしました。
ちょうど当日に開かれた衆議院本会議で審議入りしたため、出入りはあったものの多数の会員議員が出席した他、100名超の業界団体・企業などの関係者が参加し、盛況でした。
報告会では、事務局長を務めている私から10月13日に財務省へ提出した要望書についての報告を行い、その後、関係省庁(経済産業省、文部科学省、国土交通省、環境省)から、それぞれの予算事業についての報告をいただきました。
また、業界団体を代表して、一般社団法人電池サプライチェーン協議会(BASC)の只信一生会長からご挨拶をいただき、官民が連携して取り組んでいくことを改めて確認いたしました。
その後の交流会は、コロナの状況を考慮してお茶で乾杯となりましたが、多くの業界関係者の皆さまと親交を深めることができました。
今後行われる衆参の予算委員会、本会議での審議を経て成立をした暁には、民間の皆さまにはこの予算をしっかりと活用して、我が国にとって極めて重要産業であるバッテリー産業を盛り上げていただきたいと思いますし、私も引き続き、尽力してまいります。
脱炭素化社会への戦略物資であり、経済安全保障の面からも極めて重要なバッテリー(蓄電池)。
11月8日、閣議決定した令和4年度2次補正予算案において、バッテリー分野で5000億円超が計上されました。
10月13日、事務局長を務める「未来社会を創出する、バッテリー等の基盤産業振興議員連盟」で、甘利明会長らと財務省を訪ね、下記を求めていました。
(一)蓄電池・材料製造の大規模投資や重要鉱物資源確保のため、2030年に向けて総額3兆円の基金の創設
または
(二)当面の蓄電池・材料の製造・開発投資や上流資源獲得の計画を支援するため、令和4年度2次補正予算において少なくとも5000億円の財政措置
今回の2次補正予算案において、基金創設は実現しなかったものの、単年度で5000億円超を確保することができました。
内訳は、バッテリーやその素材の設備投資・開発支援で3316億円。バッテリーに必要な鉱物資源確保に1767億円です。
なお、予算案には「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」なども別途、盛り込まれています。
引き続き、バッテリー産業等の振興を通じ、未来社会を創出するための方策を徹底的に探り、大胆に推進してまいります。